この記事のメインは電撃大王GENESISについての話ですが、タイトルに挙げた2点に触れないわけには行かないと思うので、まずはそっちの話から。
■ラノベの単純コミカライズは筋が悪い
以前にこんな記事を書いてはいますが、ラノベ原作絶対反対とか、オリジナル至上主義とか、そういう態度は取りません。
取りませんが、それでもラノベの単純コミカライズは、作品的にも商品的にも、積極的に進めるような「オイシイ」手法とは思えません。
「作品的に」の方は簡単で、「原作のラストまできちんと漫画を進めるのがデフォルトで絶望的」という点に尽きます。
(コミカライズされる程度には人気のある)ラノベの刊行ペースというと、かなり遅筆の作家で年1冊、平均的なペースでは年に2~3作というところかと思いますが、週刊連載以下のペースでは原作が消化出来ません。
漫画連載中に原作が完結すると、その後5年とか10年とか費やせば漫画版も完結できる計算にはなるのでしょうが、多くの場合はエピソードの切りの良いところで終了、となってしまいます。
(原作終了後も延々と漫画版の連載が続くケースもないことはないようです。ラノベじゃないけど真月譚月姫は1/27発売号掲載分で最終回で、ここまできっちり扱ってもらえれば、原作者も作品も本望でしょう)
「商品的に」は、作品に関わる人が増える=手間がかかっている、割に、売上の数字がずば抜けて高いようには見えない、ということがあります。
もちろんシャナやレールガンは単巻で40万程度の売り上げを叩き出した人気作品だ、という指摘は正しいのですが、「じゃアスラクライン何万部よ」とか、「よつばと! はオリジナルでメディアミックス無しで70万部超だよね」という点を鑑みるに、ぶっちゃけ重要なのは総合的な知名度であって「ラノベ原作」の効果じゃないよね、と思われるのですね。
(ツガノ版ハルヒでも単巻30万(以上?)出ていることを考え合わせれば、「話題性があれば質に関係なく売れる」という点も認識されていて良いと思います)
なお、ここまで「単純コミカライズ」という表現を多用していますが、ラノベ原作のスピンオフオリジナル作品(要は超電磁砲メソッド)は全く別物と考えておりますが、別な話な上に長くなるので割愛。
……そもそも「漫画原作の作品がアニメ化」するのと「ラノベ原作のアニメ化作品をコミカライズ」するのとは、期待値や波及効果が基本的に違いますわね。
(この点、スクエニが漫画オリジナル作品を片っ端からアニメ化しているのは、ぐうの音も出ない正攻法)
■2009年の電撃大王について
……という俺の問題意識が届いたのかどうなのか、2009年の電撃大王は、特に春以降、オリジナル作品に妙に力が入っていました。
(多摩坂さんが心を入れ替えたのか、あるいは編集部から放逐されたのか、どっちなんでしょう)
去年末にはホーロロギオンをプッシュしましたが、他に「天乞」(ていか小鳩)、「ラブアレルゲン」(あかほりさとる:桂遊生丸)、も、電撃大王の客層的にどうなのかな、と心配な面はありますが、作品自体は明らかに面白いです。「天乞」は単行本出たら何か云うと思うので割愛、「ラブアレルゲン」は要するに恋愛ラボです。
(他作品では、「大奥チャカポン」は個人的にはノリが合いませんが作品として悪くはない、気はします。「こいこい★生徒会」は好き嫌いでいえば大好きですが、信者フィルタが掛かっているので世間的にどうなのかは判断出来ませんw)
スクエニがアニメ化でガッポガッポ稼いでるのを見て「我々も落ち穂拾いみたいな真似じゃなくて一発ドーンと当てに行かなアカンで!」とか号令かけた人が居るんじゃないかな、とか勝手に想像していますが、何れにせよ、読めるオリジナル作品が増えたことは好意的に受け止めていました。
■本題:電撃大王GENESISについて
先日創刊された「電撃大王GENESIS」を、俺は上記の流れで認識していますよ、ということです。
コピーからして「純度100%オリジナルコミック誌」ですよ。タイアップとメディアミックスの代名詞のような電撃ブランドで。
- 森山大輔妄想奇行。
超はっちゃけたw
……これは多分巻末固定枠だわよw (他に何を云えと
- 松沢まり動研。?菜の花高校動画研究部?。
グッド。
「オタ部活動」モノ+「昔の約束」フォーマットなんですが、昔の「お兄ちゃん」が最初から主人公の目標として登場しているので主人公のスキルも違和感なく受け止められ、で「主人公」「同級生」「お兄ちゃん」のキャラ配置まで終えたところで1話終了、と。
面白いんだけど、面白さ以上に、ペース配分の巧さに拍手したい気分です。
- 竹葉久美子やさしいセカイのつくりかた。
新人らしい。今号での収獲。
何やらトラブルで女子高の教師になった青年が主人公なのですが、彼が(無駄に)優秀設定で、生徒の方にも無駄に優秀な子が居て、「単純なラブコメでは不要なこの『成績押し』はどういう意味があるのかしらん」、というところまで。
作画面での粗は全く感じないので、色々と興味をそそられるこの初回からどういう風に話が展開していくのかなーと、普通に楽しみです。
特筆するのはこれぐらいかな。
FLIPFLOPs・犬上すくね・いわさきまさかず等はあまりに期待値まんまで特に云うこと無し。
茜虎徹だけは全く存在意義が判らないのだけど、ドラゴンエイジ掲載作家への偏見に寄るところが大きい気がしてよく判りません。
総論として、質は低くないけど無軌道すぎて距離感が掴めないです。作ってる方も「とりあえず全方位的にアンテナ張ってみた」、という感じなのかもしれません。
ある程度バランスした誌面のまま行くのか、だんだん「色」が付いてくるのかで、AMW的なGENESISの位置づけも見えてくるのかな、と思います。
(「オタ版fellows」という表現が今降ってきました。うまくいけばそうなるかも知れません)
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