今年になってから漫画の感想あんまり書いてねぇなぁと思いつつまたミステリ話です。
(雑誌のは書いてるけど)
傑作です。ただし、ちょいとハードでビターです。
「ようこそ。ここが、青春の終わりだ。」という惹句が良い。
登場人物とか舞台の説明。
高校以来のアマチュアバンド1人組。スタジオ。その経営者とスタッフ1名。
主人公はバンドの1人。ずっとバンド内の娘と付き合っている。彼女は今ではバンドを抜けてスタジオのスタッフになっていて、バンドの後任には彼女の妹が入っている。付き合いはまだ続いていて、つい最近子供が出来たと知らされたところだった。
経営難のため、年内でスタジオを閉めるそうだ。
年末に最後のライブを控え、その日は最後の練習日となるはずだった。
……現在の外形的な状況設定としてはこんな感じかな。
その最後の練習日に「事故」が起こって、さてその真相とは、というのが話の本筋。
主人公の過去には込み入った「事件」とトラウマめいたものがあって、これはミステリ的にガッツリ本筋に絡んでくるのですが、ここに書くには複雑過ぎるので割愛します。
この先、派手にネタを割るのでRSSには流しません。(RSSだとネタバレ回避が効かないんだよね)
凄いから俺の感想とか読む前にとにかく作品の方を読め、と強調しておいて、それでも感想読みたい人はじゃあ先をどうぞ。
書いてしまうと、中盤以降、主人公が犯人であるかのように描かれます。
で、主人公が一枚噛んでるのは事実ですが、話はそこで終わりません。まず一回ひっくり返します。……ここまでは折込済みというか、「まぁそうだろうな」という感じなのですが、その後ですその後。
現在の事件の構図をひっくり返すと同時に過去の事件の方もひっくり返してなぞらえて見せるという力技──と云いたい所だけどさらっとやっているので力技感はあまりない──をやってくれます。
正直に云うとカタルシスはあんまりないです。苦いんで。
ただひたすら鮮やかで凄いです。エグいと云っても良い。
言葉にならない、「げぇ」「おいおいおいおい」、そんな感じ。
ハードボイルドってのも違うし、何でしょうね?
ただ、いずれにせよ「過去の話」自体がミステリの構造と直結していてかつそれをひっくり返すというのは、あまりミステリ的ではないベクトルですげー驚きました。(小説巧くないと無理よ、という点も書き添えておきます)
強烈にオススメ。
著者/訳者:道尾 秀介
出版社:光文社( 2008-01-22 )
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単行本 ( 290 ページ )
ISBN-10 : 4334925936
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