全力で素晴らしかった。
葉桜が5年前(wikipedia)ですかー。
小説読んでの「動揺の激しさ」としてはアレに匹敵するというかアレ以来、というか。(後述)
ガチガチのガチでお薦めであります。
……葉桜を引き合いに出しましたが、あちらにもこちらにもネタバレにならないように書くと、「アウトローな主人公(たち)が、敵の悪徳業者に対して戦いを挑む」みたいな構図が重なる、ということです。
文章の読みやすさとか、オーラスの読後感の爽やかさ(陳腐な単語でいうところの「感動」)なんかも、近いといえば近いでしょうか。こっちの方がより切ないですが。
以下、主要人物。
主人公は武沢竹夫(タケさん)。ヤミ金とのトラブルを経て妻子を亡くし、何だかんだあって今では詐欺師。
相棒は入川鉄巳(テツさん)。ヤミ金とのトラブルを経て妻子を亡くし、何だかんだあって今では詐欺師。
ある日二人で「お仕事」をしていたら、目の前で「同業者」の少女(まひろ)がなにやらお困りの様子。その場の流れで助け舟を出したら、実は彼女の母親は過去にヤミ金の取立てが原因で自殺していたことがわかって……。
※この先、中盤までのストーリー展開にガッツリ触れます。
ネタバレにはあたらないと思いますが、気にする人はここで引き返してください。
これだけだったら「ヤミ金は敵だ!」で済むんですが、タケさんは過去に借金返済のためにヤミ金業者の側で働いていたことがあって、特に自分が追い込みをかけた家の母親が自殺してしまったことは今でも脳に焼き付いて離れなくて、その件をきっかけに自分のやっていることに嫌気がさして組織の情報を警察にタレ込んで組織を壊滅に追い込んだもんだから組織からの報復が怖くて、……という設定があるので、タケさんが非常に微妙な振る舞いを強いられることになります。
……お察しの通り、まひろの母親を自殺に追い込んだのはタケさんです。
この後更に数名増えるんですが、とにかく「人生踏み外しかかったダメ人間」がワラワラタとタケさんの元に集まっていきます。
ダメ人間と云っても悲壮感とかはあまりなくて(だから却ってダメなのか)、「こんな生活が続いていけばそれでも良いのかな」な雰囲気に一端はなるのですが、そこでヤミ金が再登場。
いつまであんな連中に怯えなきゃならないんだ……もう嫌だ!
奴らが取り立てのプロならこちらは詐欺のプロだ、こっちの土俵に引きずり込めばおいそれと負けやしないぞ!
その作戦がどうなったかは読んでのお楽しみなんですが、タケさんが背負ったものが重すぎでもう「うががごごご」とかそんな奇声w
「背負ったものが重過ぎる」のはタケさんだけではないんですが、とにかくええ、「お前らみんな一生懸命だよもう良いじゃんか幸せになってくれよ頼むよもう」感(どんなだ)で一杯でした。
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb
著者/訳者:道尾 秀介
出版社:講談社( 2008-07-23 )
定価:¥ 1,785
Amazon価格:¥ 1,785
単行本 ( 428 ページ )
ISBN-10 : 4062148056
ISBN-13 : 9784062148054



最近のコメント