タイトルに「うみねこ」って入れといた方が見てくれる人が増えると聞いて。(えー
推理小説、特に「本格推理小説」と呼ばれる小説は、時として「論理パズル」として扱われます。
好きな人はそれが好きなんですが、一方で「状況の確認と仮説の提示が繰り返される」という内容が、「細かいことに拘りすぎで受け付けない」という人も居る訳です。
「推理」も良いけど「小説」もね! みたいな。
■で北山猛邦です。
今ん所この人の作品は「クロック城」「瑠璃城」そして「少年検閲官」が既読。
(少年検閲官はこの項では触れない)
……えーと、本格推理小説でありつつ、事件(ないし「謎」)がメインじゃないのですね。
「謎─解明」の構造はあるんだけれども、それが全てではなく、「謎は謎として解決しておいて、お話は平然と続行する」と。
■「クロック城」殺人事件
舞台設定が「終末に瀕した世界」。
そんな世界でも謎な組織の対立の構図があって、で、それはそれとしてクロック城で殺人事件が、と。
あと、幽霊も出るよ!
密室トリック自体は「ほう」と思うようなものではありました。
……でも、話の流れ的には、トリック云々というより事件そのものが、割とどうでもいいの。
だって世界が滅亡に瀕してるんだもん。
実際、一番盛り上がったのは、事件が解決された後の「謎な組織の対立」の方だし。
ぶっちゃけ「世界」についての記述が少なすぎて「正しく評価」することは難しいのですが、ある種の非現実感とか、物悲しさであり美しさ、を表現する役は果たしていたかな、と。
(と書くと「精密に作り上げられた作品世界」みたいなイメージに見えるかもしれませんが、ド中二病 です。中二ノリを受け付けない人には多分キツいです)
■「瑠璃城」殺人事件
良くも悪くも酷いです。
13世紀フランス、20世紀ドイツ、そして20世紀日本、を又にかけて展開される殺人事件の因果、みたいな壮大な話。
……というと聞こえが良いけどえらく出来の悪い「生ける屍の死」というのが正直なところ。
「生ける?」が「死人が甦る世界」を舞台にした作品であるように、本作にも「作品内独自のルール」があるのですが、それが「そんなん知るかよボケ」と云わざるをえないレベル。
■連想したのはクイーンの「シャム双子の謎」
ストーリー的な山場が事件から離れたところにあるという点で、方向として「シャム双子の謎」風と云えるかも知れません。(山火事に取り残された山小屋で事件が起こり、事件は解決したけど火事で大ピンチ、という話ね)
正直、今読んでも先にあげた北山作品より面白い気がしてならないですね。(というか北山作品のアクが強すぎ
■まで踏まえて「うみねこ」
EP4ラストとダブるところがあるのですが、「事件自体の謎」と「ベアトの正体≒ストーリー面の謎」とを直結させるというかパラレルに扱うところが、小憎らしいぐらい巧いですなー、と。
個別の事件の謎にさして興味を持たないようなプレーヤーも、「わたしはだぁれ?」の問いには手が止まるでしょう?
「謎の質」という意味では明らかに異質なものなのですが、「上位世界と下位世界を両方とも認識しているプレーヤー」には違和感なく受け止められる。(受け止められてしまう)
……感覚レベルでは「このあたり」に何かネタ仕込んでそうな気配はありますがw
(「大半のプレーヤーが『だぁれ?』を考える」ならば、「作者がプレーヤーの思考を読み易い」訳で、ネタ仕込むには絶好のポイントな訳ですね)
……んじゃこれから「アリス・ミラー城」読むので、とりあえずここまで。
著者/訳者:北山 猛邦
出版社:講談社( 2007-10-16 )
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文庫 ( 424 ページ )
ISBN-10 : 4062758636
ISBN-13 : 9784062758635
著者/訳者:北山 猛邦
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文庫 ( 336 ページ )
ISBN-10 : 4062759969
ISBN-13 : 9784062759960
著者/訳者:北山 猛邦
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文庫 ( 480 ページ )
ISBN-10 : 4062761467
ISBN-13 : 9784062761468
著者/訳者:エラリー・クイーン
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文庫 ( 378 ページ )
ISBN-10 : 4488104118
ISBN-13 : 9784488104115






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