今月あたまに闇金ウシジマくん読んでなんとなく考えていた話。
(ログとしてはこの辺)
一般的に「悪役がイイと話が締まる」「面白い作品には名悪役が居る」的な指摘があります。
それ自体は(主観的にあるいは直感的に)同意しますが、「じゃあそれは何故?」という話です。
まずお約束。
・上記の2点はここでの話の前提です。ので、「この作品は悪役居ないけど面白いよ」的な指摘は今回の埒外です。
(重要な論点としては存在しますが話が拡散しすぎるのでまた別の機会に)(セカイ系とかそういう話になっていきます)
・ウシジマくんは以降関係ありません
■結論
「悪役がイイ」とは「物語上の『逆接』がイイ」の一つの実装であり、が故に「悪役がイイと話が締まる」「面白い作品には名悪役が居る」が成立する
「物語上の『逆接』がイイ」というのはマイ造語・マイ概念なので説明します。
一般的に、主人公あるいは主要キャラ(以下「主人公」に統一)には「目的・思想信条・行動原理」のようなものが設定されます。
・金がほしい
・強くなりたい
・困った人を助けたい
等々。
一方で悪役というのは、それが(物語上)悪役であるわけですから、何かが主人公と対立していなければなりません。
・目的が違う
・目的が理解できない
・所属する組織が違う
多くはこの辺かな?
(「理解できない」ってのは要するに狂人的な奴です。「違う」の亜種で、分けたことに深い理由はありません)
で、対立しているわけなので、どこかで衝突します。
そうすると、以下のどちらかになります。
- 主人公「お前の主張は間違っているので俺の正義によりお前を断罪する」
- 主人公「お前の主張の趣旨は判るが俺の正義によりお前を断罪する」
この後者のことです。
これは必然的に「私の正義」と「悪役の正義」が対置され、そして「私の正義が絶対ではない」という認識のもとでそれでも「私の正義」を選択するということで、大抵は非常に困難な決断であり、が故にその場面・悪役の印象も強いものになる、といったことであると考えます。
前者は前者で「クソ野郎をスッキリぶっ飛ばして大勝利」的に盛り上がれるポイントですが、ここで扱う盛り上がりとは趣旨が異なります。
「端的に悪である」存在に対しては(主人公及び読者の)内省が必要ない、みたいな話ですね。
>>注
そもそも論として、「逆接」が成立するためには、「主人公の行動原理」とは別に「悪役の行動原理」も十分に描かれていなければ(そして読者に理解されていなければ)ならず、それ自体があまり簡単な話ではない、という点も指摘しておきます。
<<注
作例を挙げようと思ったんですが実はあんまり出てきませんでしたw
・るろうに剣心の志々雄真琴真実
・ダイの大冒険の(超魔生物)ハドラー、はやや微妙か
・からくりサーカス、には色々居そうだけど記憶が曖昧
・ワンピースにも(以下同文
・鋼の錬金術師のブラッドレイはキャラ的には十分なんだけど直接の応酬があんまりない
数が多くないこと、ちょっと古目の作品ばかり挙がったのは、
・連載がいつ終わるか分からないが故に、悪役よりも主役側のキャラ立てが優先される
・「正義」を旗印にする作品自体が減少
・セカイ系的なアレがソレでナニ
なのかと思いますが、それはまた別の話ということで。
■超余談
アワーズ7月号の惑星のさみだれとワールドエンブリオを見ながら、この両作品も「悪役」の扱いの差が面白いよなーなどと思いました。
・惑星のさみだれは概ね夕日(キャラ名)の話で、「悪役」描写自体があんまりない
・ワールドエンブリオは、リク自身が悪役になる話(ですよねこれ
と。正直ワンブリは割と醒めた目で見てましたが、今回が「序章の終わり」ぐらいな気がして一気に引き込まれましたわ。
……いや、だから、余談。
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