漫画がそこそこ良かったので(ちょっと迷ったんだけど)原作も読んでみたのですが。
ああ、初榊一郎です。
……箇条書きで。
・てにをはレベルでは成立
・その先の「演出」レベルだと超違和感がある、というか「本当に10年選手か」ってぐらい引っかかる
(テキスト面では鎌池和馬を馬鹿にする余地がほぼない、と云えば伝わる人には伝わるだろうか)
・キャラの「ドタバタ」度が社会不適合レベルじゃないんだけどこれ何処まで演出として差っ引けばいいんですか
・ストーリーはベッタベタだけど嫌いじゃない、けどその他のノリが酷くて読んでて辟易すること多し
・漫画版でも「引っかかった点」は原作由来で、しかも割と軽減されていたご様子(茶菓山は頑張ったw)
ぐらいか。
「魔王」とか呼ばれた王を倒すために周囲の国が同盟して対抗して、そして「帝国」が滅んだ世界。
「暗殺者一家」に生まれた主人公は、いつか戦場で自分の力を発揮する日を待ち望んでいたが、戦争が終わってしまい目標は行き場を失い糞ニートと化していた。
そんなある日……
みたいなイントロから、死んだはずの「魔王の娘」と遭遇して、追手の「敵」を撃退し(中略)で1巻の終わり。
(上では「暗殺者」って書いてますが作中の用語では乱破師(サバター)です)
「話の本筋」自体は嫌いじゃないです。
……ですが、その「表現」「ノリ」が全体的にキモい。
・何で「働かないで寝てた主人公に業を煮やした妹が『当たれば死ぬ一撃』を室内でぶっぱなし」ますか
・主人公は主人公で、その妹相手に「戦闘モードの呪文詠唱で迎撃しようとし」ますか
・その他、全般に「その時その状況がどうなっているか」はそこそこ自然なのに、そこに「キャラの思想や心境」が乗っかると唐突感マシマシで「あーはいはい」みたいな感じに
・15メルトルってのはメートル法で云うと何メートルなんだよクソがああああ
……「いつか来る晴れ舞台(戦場だけど)が無くなって自暴自棄になってるところに新しい目標が」的な話は大いにアリで、今思い返してみると面白かったように思えてくるのが不思議ですが、読んでる最中はもうノリがひたすらクドくて辛かったのよ。
「ダメ主人公に切れる妹」だったらフライパンで引っぱたくぐらいで十分だろうに、戦士としての能力のある奴が寸止め抜きでぶち抜いたのを紙一重でかわしてその件について「ネタ」に回収するフォロー一切なしだと、どう贔屓目に見ても人格破綻者ですよね?
(禁書の)上条さんの「不幸だ~」も割とイラッとくるのですが、本作、「事実関係の推移とは別にキャラを立てようとする描写」がことごとくウザいポイント貫いていきました。ぬーん……。
あと、「15メルトル先の茂みに何か居る」場面、1メルトルが何メートルか判んないと読者としては距離感さっぱり分かんないんですけど、これは「1メルトルは1メートルなのはお約束だろwww」って話ですか、「書かれたものを書かれたように読んで意味が分からない」のを作り手側で肯定したらクソだと断じて許されますよね???
ここは「表現者としての神経を疑った」箇所。(「ライトノベルにそんなツッコミは無粋」ってんなら無粋でいいよ)
色々と目をつぶって話の筋だけ追えば続刊に興味がなくはないんですけど、目をつぶらないとダメな範囲が広すぎてどうしたもんかな、というのが今の心境であります。
あとがきで「本来書こうとしたのはこれじゃないんだ、これは編集からの横槍が入りまくった別物なんだ(意訳)」みたいな事書いてますけど、「他の榊一郎作品」ではどうなんでしょうかね。
うーん。
(ちなみに漫画版1話は小説の序章カットして1章まで/4章、ペース的には原作1.5ページが漫画1ページぐらいなので原作1巻が単行本1冊に該当しそう。2冊で終わりにするのが既定路線で、予想外に売れたら続刊、とかそんな雰囲気を感じます)
著者/訳者:榊 一郎
出版社:富士見書房( 2010-12-18 )
定価:¥ 630
Amazon価格:¥ 630
文庫 ( 325 ページ )
ISBN-10 : 4829135964
ISBN-13 : 9784829135969




