シリーズ4作目……にして初の短編集です。
収録は4話。
- 天体観測
- 流星の写真を撮るために夜中抜け出していく話
- ジルベルト・ヘイフィッツの優雅な日々
- Gが普段何しているのかをかぎまわる話
- フィーバー・ピッチ
- フットサル大会に出る話
- 凪、凪、夕凪
- 久高が凪と一日遊んだ日の話
基本的に他愛ない話といえばそのとおりですが、久高の抑制の効きまくった語り口調は変わらずで、シリーズ読者なら普通に楽しめると思います。
特に凪の話は、リンネが出てこないので──「時載りリンネ」シリーズじゃなくて良いような気はしましたが──作中の「静かさ」は際立つものがあったと思います。グッド。
……フットサルの話はハルヒの野球大会の同工異曲すぎた気はしないでもないですがw
ただ、このシリーズは「リンネが&大冒険して」「久高が&静かに語る」の組み合わせでこそ映えると思うので、短編はどうにも食い足りなさを感じたのも事実です。
次の長編を首を長くして待つことにしましょう。

時載りリンネ! 4 とっておきの日々 (角川スニーカー文庫)
著者/訳者:清野 静
出版社:角川グループパブリッシング( 2008-10-01 )
定価:¥ 560
Amazon価格:¥ 560
文庫 ( 250 ページ )
ISBN-10 : 4044732043
ISBN-13 : 9784044732042
ヒロインが小学六年生でも、主人公も小学六年生ならロリじゃないよね!!
……挨拶。
俺的最強ジュヴナイルの新刊。
文章が、……何でしょうね、静謐? どう考えても小学六年ではない抑制の効いた語り口が、リンネの元気さとか起こる出来事のドキドキ或いはハラハラ、をグッと引き立たせています。
……という点はシリーズ共通。
今回は目立った敵(悪者)は居なくて、「非日常の空間との接触と、そこで出あった友人との交流」みたいな話です。
俺が連想したのは映画ドラえもんの宇宙開拓史。(類作は他に幾らでもあるでしょう)
粗筋を文字にして起こすと大したことないんだよねー。
ポイントは(繰り返しになるけど)「別の世界」でのワクワクドキドキ感。久高(視点人物)の大人っぷりがリンネの天真爛漫なキャラを何重にも引き立ててます。出てくる大人の「怖いけど良い人」っぷりも堪りません。
そして「冒険」を繰り返しているうちにふとしたきっかけから大事件が発生し……という展開も王道。
ノリとしては「ひと夏の大冒険」な感じね。時期冬だけどw
本来魅力的なサブキャラであった遊佐、G、ルウといったあたりは今回はお休み気味。(「G」はざっくり云うと「綺麗なおねーさん」です)
そこら辺は、今回の話で成長したリンネの「次の話」に期待ですかね。
…………………………えーとね?
(略)僕はGの黒いストッキングに包まれた形のいい脚がコツコツと互い違いに動いていく様をひたすら目で追いつつ、なるべく何も考えずに歩を進めた。
やがて対岸が迫ってきた。
「ふう」
274ページのこの箇所で「ハイパー賢者タイムキタコレ!!」とか思ってないですよ? うん。
久高はそんなにダメな奴じゃないです。ダメなのは俺です!(思ってるやん
■参考までに
シリーズ感想
1が星5つだとしたらこっちは3.5ぐらい? 流石に前作ほどではないと思うけど、これは話の作りにも依るからしゃあないわな。
しかしまぁ、先の展開には期待できると思ったし、全然アリだと思います。
応募作が賞取ってそれが1作目、これがその続編。
ということもあって、話のエンジンがかかるのが遅い。本当に「始まった」のは6章からでは?
(それ以前は「2作目用の設定」のために費やされている面が大きくて、全て削れたとは云わないまでも圧縮のしようはあったと思います。率直に云って退屈でした)
その先での大冒険……ならぬ小冒険(小騒動?)は期待通りの小気味良い展開で、ついでに云うと「これ以降」はもっとテンポ良くサクサクと「冒険」のお話が読めそうなので、ここで溜めた分は次以降にぶつけてもらえれば良いかな、と思います。
ルウの露骨なまでに典型的なツンデレっぷりはちょっと笑った。(敢えてステレオタイプを地で行ってるだろうw)
あと凪がオールマイティすぎなのがちょっと気になったんだけど、この万能っぷりはこの後も続くの? だとするとちょっと興醒めポイントなんだけど。(話の表に直接は関わってこないとはいえ)

時載りリンネ!〈2〉時のゆりかご (角川スニーカー文庫)
著者/訳者:清野 静
出版社:角川書店( 2007-12-01 )
定価:¥ 580
Amazon価格:¥ 580
文庫 ( 315 ページ )
ISBN-10 : 4044732027
ISBN-13 : 9784044732028
えー、控えめに表現しまして、……無茶苦茶面白いですな。
わくわくする大冒険がしてみたいな。物語みたいな。悪党に狙われて困っている女の子を颯爽と救うような話が理想ね。日常の中のふとしたできごとから幕を開けて、しだいに謎が膨らんでいく不思議な展開、中盤はミステリーあり、活劇あり、友情ありの総天然色の大冒険よ。お待ちかねのクライマックスには悪党をやっつけて、もちろん最後は綺麗な大団円を迎えるの。すべてが終わったあと、前よりも少しだけ世界が輝いて見えたら素敵よね!
本作冒頭でのリンネの言葉ですが、ほい[Google:わくわくする大冒険がしてみたいな]。
本作は要するにこの一言に集約されると云っていいでしょう。粗探しをしようと思えば出来るでしょうが、ちゃんとした「お話」を読んだのは久しぶりな気がするので、無粋なことは止めておきます。
っで。
俺の趣味に引きつけて語ると、また夏なんだなこれが!
なんでこう「ちょっと良い感じの冒険モノ」とか「ちょっと切なくなるジュヴナイル」とかの舞台は夏なんでしょうね!?
外気の暑さと空の青さの記憶ですか? ……そーんなに感傷的になってるつもりはないんだけどなぁw
……ここんところライトノベルを袈裟でぶった斬っていたのでその絡みで云うと、別に「ライトノベル」というラベルが振られた作品を憎んでいるとかそんな訳ではなく(あ、でもそういうことにしておいたほうが面白いかも)、「(読者が投影された)主人公が『上手くやる』過程で(読者の)承認要求を満たす、という構造が透けて見える作品」を見ると、「お話」を冒涜されたような生理的嫌悪感が先に立つってだけなんですがね。はい古いオタでサーセンw
本作は前述のように、キャラも立ってるけどそれ以上にちゃんと「お話」してたので、否定する理由は全くないです。
これがバカ売れするようなら(俺が)「ライトノベル読者」を見る目も変わるんだけどな?

時載りリンネ!〈1〉はじまりの本 (角川スニーカー文庫)
著者/訳者:清野 静
出版社:角川書店( 2007-07 )
定価:¥ 580
Amazon価格:¥ 580
文庫 ( 332 ページ )
ISBN-10 : 4044732019
ISBN-13 : 9784044732011
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