(この記事にはひとつ嘘があります)
男性の生涯未婚率が20%を超えた、という話がちょっと前の読売に出てました。
(その更に前にはbiz誠に出てました。
並べてみると、読売の記事がダントツでひどい(出展とか「何の調査の20%か」とか全く不明)。これは余談)
- 生涯未婚の男性、2割を突破…30年で8倍 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
- http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120430-OYT1T00710.htm
- 多分出展はこれ。
さてそこで、「男性の生涯未婚率が20%を超えた」ということについて適当に考えてみましょうというのがこの記事の趣旨であります。
……予告しておきますが「そんじゃーね」で締めます。
時々「若者には金が無い」「不景気だからな」みたいな意見を見かけるんですが、それは多分違うと思う、というか、間違ってないけど一因でしかない、と思うのね。
結婚を商品に例えてみますよ。
「結婚という商品が、昔より20%の売上減です」となったとき、考えるべきなのは
・結婚という商品の価値(⇔結婚という商品が満たす需要)はなにか
・価値と価格は見合っているか
の両面であって(他にもあるでしょうけど割愛)、「金が無い」論ってのは後者についてのアンサーだけど、それは「結婚は引き続き魅力的な商品である」ということを暗黙のうちに前提としていて、そこちょっと違うよね、と云いたいわけよ。
……とか書きながらネット検索してたら結婚についての調査資料を見つけました。
2006年なので微妙に古いけど、「最新の状況」以外についてはそれなりにOKと思います。
→世代間関係から見た結婚行動(PDF)
調査の内容やら何やらは気になる人だけ見て下さい。
(クソ長いので基本的には読まなくていいです、参考程度)
で上記の調査、「10 おわりに」部分を以下に引用(一部)。(改行のみこちらで修正・強調は引用者による)
追加的な観察として次の点も指摘しておきたい。近年、結婚に関する制約が消滅し、個人同士の合意のみで結婚が選択できるような状況になったにもかかわらず、結婚経験率は低下している。これは、いわば、規制緩和が起こっているのに市場メカニズムがなかなか機能せず、効率的な資源配分が起こっていない状況に相当する。では、この原因をどう考えればいいのだろうか。我々は2つの考え方があると思う。第一に、結婚という私的な契約がその他のより公的な契約(例えば、労働契約)に基づく制約の負の効果を吸収しているのではないかということである。すなわち、労働市場の2分化、正規労働者の過剰勤労時間と非正規労働者の低賃金と雇用不安によって、いずれのグループに属していても結婚がなかなか容易に行えないような状況にある。これが、本来は自由な恋愛結婚を促進するはずの機能を阻害しているという考え方である。国際経済学や経済政策で、自由化や規制改革の順序(sequences)が問題になるが、間違った順序で自由化を促進すると、他の市場での規制の影響を受けて本来自由であるべき市場が歪められてしまうという状況が生じることが指摘されているが、それに似たものがあるように思う。第二に、民法学者の中には、民法の流れを「家」制度の破壊の歴史であると捉え、家族は消滅し、独立した個人の緩やかな集合体として社会は機能するようになるのだと考える人もいる。とすれば、結婚に対する障壁がなくなっても、結婚を積極的に行い家族を形成するというインセンティブ自体が低下しているとも考えられる。もちろん、国民の 80% 以上が結婚し家庭を持っている状況で、家族が消滅するという議論は杞憂にすぎないという議論もあり得る。しかし、少子化対策を中心とした経済政策においても、家や家族のあり方が今後どうなるのかを見定めた上で対応しなければ、見当外れの政策を導入するリスクもあることを十分認識しておく必要がある。
(労働環境云々の話は経済的な側面の話すね)
ここでやっと本題、タイトルに戻ってきます。
・家制度が機能していた時代
・家電製品等や外食産業の整備が不十分だった時代
・「会社を離れた環境でのコミュニケーション」が手薄だった時代
というのは概ね重なって、印象レベルでは90年~00年ぐらいまでだと思います。
その頃から今に至るまでの変化で、ここで話題にしたいのはポケベル→携帯電話の普及、インターネットの一般化と2ch→mixi→Twitter/Facebookの普及、という側面。
(「女性の社会進出」「バブル崩壊」「自民党の緩やかな凋落」といった話も絡める余地がありますが割愛。)
ここでは「『家』から切り離された『個人としての私』が成立していく過程」という捉え方をしておきます。
で、こんな話を見かけました。
- 相手は誰でもいい多対多のコミュニケーション : ARTIFACT ―人工事実―
- http://artifact-jp.com/2007/06/29/multicommunication/
「もっと私を見て!」じゃないですが、「他の誰かではない『私』を見てくれる他者との接続機会としての結婚」、という補助線を引くと判りやすくね? って話ね。
(リンク先の話から連想した話で直接は関係ないです、念のため)
……としては、2ch(匿名コミュニケーションの時代)までは市場を食い合う存在では無かったでしょうが、ハンドルネーム等の顕名(黒木ルールの実名)というのは、おそらく「結婚」と競合します。
(もちろん会社や(家制度が色濃く残った)実家では、個人であること以上に会社や家の構成部品として必要とされるわけですから、論外)
想像してごらん、TwitterもFacebookも、mixiも2chも、そもそもインターネットも、それどころか携帯電話すらない社会を。(ジョンレノン風)
ていうか想像するまでもなく、20年も遡ればそんなものは全部ないんですけど。
……そういったものが仮に今でも無かったら、「寂しいから結婚する」って人は、少なくとも今よりはずっと多いと思うのよね。
(歴史のifは云ったもん勝ち、という自覚はありますw)
タイトルはそういう話です。
反語よ?1 一応断っておくけど。
で、これはあくまで「大人世代が結婚しないこと」(非婚化)についての話で、非婚化対策は直接は少子化対策にならないだろうなーっていうイメージがあります。ノー根拠。米軍情報。
(子供を持たない世帯への増税、という議論はあるようです。方向性は正しくて、そして絶対実現しないと思うけど)
じゃあの。
著者/訳者:竹原慎二
出版社:宝島社( 2007-07-10 )
定価:¥ 1,050
単行本 ( 160 ページ )
ISBN-10 : 4796658734
ISBN-13 : 9784796658737
- 「禁止することなど出来ないのだから、非婚化は止まらない」と云っています。 [↩]






