倉橋ユウス「ほしのうえでめぐる」 やっぱ俺 倉橋ユウス 好きすぎる 雑誌で見たのに また泣きかけたわ

 季語は倉橋ユウスで、夏……かなw?w
(「宇宙モノ」には夏が似合う気がするのは何故だろうね)


■概要・作者についてのざっくりした話

 微妙にクセのあるアニメ的な絵柄で超ガチなSF短編を描くことで俺的にはお馴染みの人たちです。(以前は本人サイトに「コンビ」って書いてあった気がするんだけど、今見たら見当たらないなぁ。単に公開するの止めたのかコンビ解消したのかは知らんです)
「超ガチなSF短編」ってのは、「SF的な舞台設定の作り込みがガチ」「その舞台で展開されるお話の水準がガチ」ね。

 あと、ここでいう「SF」は「宇宙」あるいは「宇宙開拓時代の地球(地上)」みたいな指向性。
(「野尻抱介とか松浦晋也に見せて感想聞いてみたい」って云ったらはてブの俺周りの人には通じやすいのかしら)

 ベタ褒め? はい、基本的にベタ褒めです。
 以前もちらっと書きましたけど、俺は「きっちり作りこまれた異世界」で「価値観や思考回路が(読者に)理解できるキャラクターによる意思決定がなされていく話」が一番好きな<ジャンル>で、本作はそのストライクゾーンの真ん中をぶち抜いていくのよね。
(恋愛遊星も「ラブコメ縛り」ではありますけど、方向性ではこういう感じでした)


■本作について

「全10話からなるオムニバスSF創作」と裏表紙見返しの作者コメントにあるので、そうなんでしょう。
 ……でも、全く無関係な話という訳ではなく、「ある一つの舞台設定を軸に、『あること』に直接間接に関係する人たちの話、を通して『あること』自体も描く」みたいな話。

 で、「あること」とは。
「宇宙まで届く『軌道エレベーター・明星』の建設工事」、です。
 …………ここから先は、複雑というか入り組んだ構成になっていて、多分書かないほうがいいと思うので、略。


 その建設工事なんですがね、楽じゃねーんですよ。超トラブる。
 でも、高いレベルでも低いレベルでも、みんな諦めないの。真面目な人も適当な人も、いろんなレベルで明星に夢を見て(託して)いるの。
(「保身に走る腐ったボンクラ」みたいなのが居ないのがリアル世界と違う所といえば、まぁそう)

「諦めなきゃ夢は叶う」みたいのは普通に嫌いですけど(実際、作中でも熱意ほど順調かというとそうでもない)、それはそれとして、「こういう人がそういうことするんだったら、報われてほしいなぁ」ってのは思うわけよ。
 それが、すげー、切ないの。グッとくる。


(4話も5話も一応「恋愛要素」は盛り込んでいるので、一巻5話全部を「宇宙開発とラブコメ」と要約できなくもないですが、恋愛遊星より「SF度が高い」「話の構成に凝ってる」は云えると思います)

(本編で「内容から切り離しても意味が通る一枚絵」が選びにくかったので表紙絵のデカい奴貼って終わる)
ほしのうえでめぐる

ほしのうえでめぐる 1 (BLADE COMICS)

著者/訳者:倉橋 ユウス

出版社:マッグガーデン( 2012-02-10 )

定価:¥ 600

Amazon価格:¥ 600

コミック ( 177 ページ )

ISBN-10 : 4861279496

ISBN-13 : 9784861279492


 前作。感想記事はこちら

恋愛遊星 (MFコミックス アライブシリーズ)

著者/訳者:倉橋 ユウス

出版社:メディアファクトリー( 2009-12-22 )

定価:¥ 550

Amazon価格:¥ 550

コミック ( 147 ページ )

ISBN-10 : 4840129592

ISBN-13 : 9784840129596


「SF短編の切れ味」+「ラブストーリーの甘酸っぱさ」=\なんかすげえ/ 倉橋ユウス「恋愛遊星」

 アッパーズ→シリウス→ドラゴンエイジ→コミックラッシュ→電撃大王→コミックアライブ1 、と各誌を渡り歩いた苦労人、(多分)初の単行本でありまずはめでたい。
過去の言及

 彼らの作風としては「画力は当初から高値安定(タッチは若干癖がある)・話の内容はSFっぽい何か」が基本で、本作「恋愛遊星」は「宇宙人とラブコメ」がテーマの短編集(五話収録)、ということになります。
 ラブコメと書きましたがコメディ要素は薄目で、どちらかというと切なげな話が多いです。
 あと、「宇宙人とラブコメ」であり「地球人と宇宙人の間のラブコメ」ではない、ということは強調しておきます。(後述)

 余談だけど俺的「2009年に面白かった作品10作」のうちの一作でもあります。


 宇宙人が出てくる理由ですが、異星人である彼・彼女らには「地球人とは違う生態(能力)」があり、この「種族の差による断絶」に直面した当事者(あるいは周囲の人)が何を考えどう行動するのかを描くため、ということになります。
 描く対象が主に内面ということもあり、宇宙人のビジュアルは地球人とほぼ変わりません。(時々エルフ耳だったりする程度)

 ……で、本当ならここで話の内容(特に宇宙人の「能力」)に踏み込んで紹介した方が良いのでしょうが、内容がSFであり、かつ構成的に(読者の目線で)「彼/彼女の能力はなんだろう?」を巡って話が進むことが多いので、下手に紹介してしまうと読んだ時の「え?」「おや?」な感じをスポイルしかねないのが悩ましい。

 とりあえず一話と二話の扉絵を張ってみます。
(両方とも一話完結です)

■一話

恋愛遊星

■二話

恋愛遊星

 一話目は女の子の方が「キルキリリ星人」で、読者は「『キルキ』とは何ぞや」という点を気にしながら読むことになります。
 一方二話目はこのヒデ・ナナミともに地球人で、このあと登場する「『ナナミの兄とその彼女を巡る問題』を見た時のヒデとナナミの関係」が話の中心になります。

 何が云いたいかというと、「宇宙人」が話の中で占めるポジションが、必ずしも一定じゃないのですね。先に書いた「宇宙人とラブコメ」というのはそういう趣旨です。
 この後の話も毎度毎度微妙に話の角度が違うので、一冊を通すと「各編・各キャラ」と同じかそれ以上に「この世界」に対して愛着が湧いてくるのではないかなぁ、と思います。(俺だけかも知んないけど)


 ……正直、上手く伝えられた自信が無いのだなぁw
 言葉で説明すると堅苦しくなる2 けど読めばシンプルに面白い&ちょっと切ない、普通に良い作品です。
 超オススメ。

恋愛遊星 (MFコミックス アライブシリーズ)

著者/訳者:倉橋 ユウス

出版社:メディアファクトリー( 2009-12-22 )

定価:¥ 550

Amazon価格:¥ 550

コミック ( 147 ページ )

ISBN-10 : 4840129592

ISBN-13 : 9784840129596


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