本ミス経由で。(参照)
読み終わったのはちょっと前になります。
……これ以前に「エコール・ド・パリ殺人事件」も読了しているのですがぶっちゃけ語るような内容がなかったのでそちらの感想はパス。
カッコイイ!
名探偵のあり方ってのは大雑把に二種類あって──一つは警察権力の側、もう一つはそれに背を向ける側──、どちらにもそれなりの「型」というものがあるわけですが、キッド・ピストルズはその意味では(身分としては警官ではあるけれど)、明確に後者を志向しているなぁ、と。
つまりこうだ。
Q.何故警察官なんですか? 警察官ではないアウトロー探偵では何故駄目なんですか?
A.それだと「ただの素行不良」じゃん? 「警察官でありながら反権力志向」、そのほうが余程「パンク」だよ。
と。
パラレル英国の治安状況の悪さであるとか、そもそもの「探偵士」制度であるとかは、「警察官でありながら反権力」のキッドを存在させるための壮大な布石でしかない、という気がするのだよね。
(そう、パラレル英国の社会制度では警察官は探偵士の下位にあたり、にも関わらず毎回探偵士のブル博士の鼻を明かすキッド、という構図もまた「パンク」だ)
ミステリとしての作りの精巧さというのは別の次元で(ある話では普通に超能力とか出てくるし)、「悪党には容赦はしないけれど、『そうするに足る事情』があるなら多少の違法行為なんて知ったこっちゃない」なキッドの振る舞いはカタルシスの塊です。
それはひょっとしたら「90年代的」等と評されるものかも知れないけれど、しかしカッコイイものはカッコイイんでありますよ。
あ、もちろん「マザーグース縛り」は健在。……ま、このシリーズなら当然ですかね。
以下書影等。



