[単行本] 有栖川有栖 ≫ 妃は船を沈める

 折角だから一応触れておくがそれほどでもない、というか普通。

 火村シリーズの中編×2。
 ×2といっても全く別の話という訳ではなく姉妹編という感じの話で、それを以って作者が「長編」というのも判らないでもない。
 でも中編×2だとは思うが。

 その1。

 深夜に港から車がダイブ。車の中から出てきた死体は睡眠薬を飲まされた形跡があり、自殺とは考えにくい。
 容疑者候補は3人いるが、アリバイがあるか、免許が無いか、泳げない。
 犯人だーれだ?

 あからさますぎ。
「猿の手」の話が出てこなくてもバレバレでしょう。
 火村シリーズはミステリ強度が弱いことが多いとはいえ、これは流石にあっさりしすぎです。

 その2。

 屋敷の離れに射殺体、被害者は元その部屋の住人。
 屋敷の主人夫妻は睡眠薬で爆睡中、震度6の地震でも起きず。
 離れの鍵を使えたのは被害者本人・元恋人・主人夫妻。
 犯人だーれだ?

 こちらはそれなりに話になっている……とはいえ、前の話と共通で出てきている人が居て(だからこそ「準長編」の扱い)、謎よりも「その人」への興味が強くなっちゃうのがなぁ。
「ミステリ的興味はさて置いて、小説として面白けりゃ良いじゃないか」ってのはそうですが、話のスタイルがこれ以上ないぐらい「本格推理小説的」で、あまりそういう風に読めないんだよなぁ。

 個人的に「カラスの親指」の方が2段上

妃は船を沈める

著者/訳者:有栖川 有栖

出版社:光文社( 2008-07-18 )

定価:¥ 1,680

Amazon価格:¥ 1,680

単行本 ( 256 ページ )

ISBN-10 : 4334926185

ISBN-13 : 9784334926182


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