藤こよみ「このこここのこ」 いい話だった。普通に。

 擬似家族同居(ラブ)コメ、完結巻。
 ホーロロと違って開始直後から超安定で最後まで一気に走り抜けた感があります。普通に「傑作」でいいと思う。
1巻感想こちら

 3巻は「同居していることがクラスメイトにバレて、でも受け入れてもらえたのでその点は心配なくなり、そこで話の関心は『家族』から遥斗と千紘の個人間の関係に移り……」ぐらいの内容。
 ……擬似家族同居ラブコメっつーてそう書いたらオチはバレバレな気がしますが一応伏せるw


 それはさておき。

 改めて読み返してみたら、話が面白いということとは別に(別でもないか)、視線誘導とかキッチリしてるなーと思ったのでそんな話。

 まだ全面的に心を開いていない千紘に遥斗が一言ガツンと云ってやるシーン。
 見開きで、最初のが右ページ、次のが左ページです。

このこここのこ
 遥斗が云う側=左向き、千紘が云われる側=右向き、です。
 上段全体が一つのコマのように働き、セリフの配置が右上→左下、そこまで読んでまた右下でこの場面の決め台詞、遥斗は左向き=千紘向き=次ページ向き、です。
 で次ページ、

このこここのこ
 前のページからの流れで遥斗のアップ(セリフの配置は右上→左下)、遥斗の視線の先に千紘(千紘が遥斗に飲まれているのでサイズが小さい)。
 上の段で右上→左下(右のコマ)、右上→左下(左のコマ)、と流れて下段、遥斗の顔→沈黙(右上→左下)、でセリフが右上→左下→手のアップ、です。

 画面で見てどうかは若干微妙だけど紙で見るとスルッと読めると思います。リズムがいいというか。

 この場面に限らず、大半の場面でフキダシ位置や視線に説明がつくのね。
「この人の漫画読みやすいと思ったらそーゆーことかー」とまぁ今更思ったりしたのだわw
(俺は書いてあるのは読めるけど自分では描けないよ)


■余談
 今月売りのコミックハイで「ヤシコー初代生徒会」が始まってます。
 キャラ配置は若干エキセントリック気味ですが、基本的に巧い人なので個人的には特に心配はしてないです。
 これ読んで良いなと思ったらそっちもチェケラ!(カメラ目線でそんな感じの手)

このこここのこ 3巻 (IDコミックス REXコミックス)

著者/訳者:藤 こよみ

出版社:一迅社( 2010-11-27 )

定価:¥ 580

Amazon価格:¥ 580

コミック ( ページ )

ISBN-10 : 4758062250

ISBN-13 : 9784758062251


コミックハイ! 2010年 12/22号 [雑誌]

出版社:双葉社( 2010-11-22 )

定価:¥ 600

Amazon価格:¥ 600

雑誌 ( ページ )

ISBN-10 :

ISBN-13 : 4910244091206


[単行本] 藤こよみ ≫ このこここのこ 千紘は2009年の主演女優賞候補だと思うの。

 イムリの話はちょっと置いといて今月の新刊。
 知名度はゼロに等しいと思いますが良い漫画ですよー。


 遥斗は姉、父と三人暮らし。
 この度父親が再婚することになりまして、相手の連れ子×3(兄・姉・妹)とご挨拶をしたところ。
「新しい家族」の引越しも完了して「さあこれから新しい家族生活よろしくね!」ってところで、父&母は新婚旅行へ出かけたっきり戻ってこないことが判明。
 ……この寄せ集め家族、どうなんの?

 といった設定から始まる擬似家族モノというかホームコメディというか、そんな話。
 タイトルにある千紘ってのは、本作のメインヒロイン(多分)で、再婚相手の連れ子の真ん中です。

 特筆しておいて良いと思うのは、基本的なシチュエーションが成立するまで(≒プロローグ部分)は強引というかトンデモ展開なんだけど、その後はリアルとは云わないまでも無理の無い1 展開が基本なこと。
 遥斗の姉は大学生(≒時間はある)、千紘の兄は社会人、ということで親不在の状況でも「頼れる相手」が居るというのが色々大きいです。
(例えば両親がとんずらしたことが判明した時の遥斗の姉の仕切りっぷりなど、この手の話ではあまり見ない光景なのではないかと)

 ここまでは序。
 そういう「戸惑うことや不安なことが渦巻いてるけど、とにかくこのメンバーで『家族』やるんだ!」という意識を遥斗と千紘と読者で共有してからが本番。

 千紘がね、非常に良いキャラなのですよ!

「下の妹は母親不在で気落ちしてるし、上の兄貴は図体ばかりデカい馬鹿だし、私がしっかりしないと!」ということで常時気合オンモードなのですが、とあるアクシデント2 で「素顔」を知って以降、「ちゃんと家族をやっていこうね!」という遥斗と千紘の共同戦線のようなものが成立することになり、この「オンとオフのギャップ」が凄くいい。

「ツンデレ」では無いのですが、二面性という意味で近いところはあります。
 ただ、千紘はその二面性に理由が与えられていることもあり、キャラの強度がめっさ強いです。

 前述のように千紘は基本的には気を張っているのですが、それがポーズでしか無いということを遥斗も読者も知っており、駄目な面やら怖い面やら、本当にいろんな表情を見せてくれるわけでこれが可愛いのなんの

 絵柄だけだったら率直に云って萌えとは遠いところにあると思うのですが、1巻中盤以降の千紘は正直ヤバいです。
 ギュッとしたくなるw


 多分ね、高校生である千紘を年下と見られる世代の方がストライクゾーンにハマると思う。
 という意味では特に大学生・社会人向け、なのかなw
(高校生とかでも普通におもしろいとは思うけど、ある程度年齢行ってると評価にブースト掛かるよ、という話)

このこここのこ 1 (IDコミックス REXコミックス)

著者/訳者:藤 こよみ

出版社:一迅社( 2009-12-09 )

定価:¥ 580

Amazon価格:¥ 580

コミック ( ページ )

ISBN-10 : 4758061785

ISBN-13 : 9784758061780


  1. ここ的には「feasible」w []
  2. 同居モノでアクシデントったらアレしか無いだろ! []

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